新聞配達はなくなる仕事？人手不足が深刻？現役配達員の視点

新聞の発行部数減少や人手不足により「将来新聞が消えて、新聞配達の仕事もなくなるのでは」と言われています。

この記事では、現役新聞配達員の筆者からみた現状と見解をお伝えします。

この記事の内容は2024年8月時点の状況に基づいています。

新聞の購読者は減り続けている

日本新聞協会の調査データによると、新聞の発行部数は年々減少しています。

新聞の発行部数推移

※朝夕刊セットを1部として計算

2023年	約2,859万部
2022年	約3,085万部
2021年	約3,302万部
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2015年	約4,425万部
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2010年	約4,932万部
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2000年	約5,370万部

新聞を読むとしても、今の時代はスマホやパソコンから電子版で読む人が増えているので、紙媒体の新聞購読は減少が続いています。

筆者が店に入ったのは5年以上前で、その時点でも客は減少傾向だったそうですが、そこからさらに減り続けています。

また、2023年頃から原材料費や印刷・輸送コストの高騰により、多くの新聞社が値上げを実施しました。

これにより契約解除はまた増えましたが、下記のようにお客さんの声はさまざまです。

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新聞の折込チラシの量も減っている

新聞の発行部数減少に伴い、折込チラシの量もどんどん減っています。

以前はチラシの量がもっと多く、配達前に新聞へ入れる作業もそれなりに手間がかかりました。

しかし、最近はチラシが1～2枚だけの日もあります。

広告収入が減ると販売店の存続が厳しくなるので、どんどん統合されて販売店の数も減っていきます。

チラシの量は少ない方が配達は楽になりますが、最近は土曜や連休前以外は本当にチラシが少なく、心配になりますね。

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夕刊廃止が増えている

地方を中心に夕刊の廃止が増え、朝日新聞や毎日新聞などの全国紙も地域によっては朝刊だけになっています。

そもそも「夕刊自体不要なのでは」という声も見られますね。

情報の早さならインターネットやテレビに勝てませんし、わざわざお金を払ってまで紙媒体で届けてもらう必要性が感じにくいです。

さらには、大きなニュースであれば翌日の朝刊にも載るでしょうし、朝刊だけで十分にも思えます。

また、お客さん側の都合だけでなく、新聞の原材料や輸送費の高騰による、新聞社側のコスト面の問題もあります。

筆者の配達区域では、夕刊が届くのを楽しみにしている高齢者もいますが、かなり少ない割合です。

さらには、夕刊配達だけをやっている従業員もいるので、夕刊が完全に廃止になったら仕事を失う人も一定数いますね。

新聞配達の人手不足は店による？

新聞配達の人手不足問題も懸念されていますが、筆者の店は割と配達員を確保できている方だと思います。

面接希望の連絡はコンスタントに来ているそうですが、よほど問題が見られるのか、不採用にしてるケースも多々あるそうです。

特にコロナ禍のときは、三密や時短要請の影響で他のバイトをやるのが難しく、面接希望が多くありました。

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ただし、隣町の販売店は状況がまったく違います。

隣町はただでさえ社員が少ない上に高齢の配達員が多く、新しい人や若い人も入ってきません。

そのため人手が足りないときは、他の販売店から応援の人員を送ってもらう場合があります。

筆者の店にも高齢の配達員がいますが、足を痛めたときなどはなかなか治らないし、無理に続けさせるのも酷ですね。

人員確保が難しい地域では夕刊配達がなくなったり、地方では新聞配達自体が廃止になっているところもあります。

新聞配達はまだしばらく存続すると思う

新聞の発行部数減少や人手不足の影響で「新聞配達はなくなる仕事」とも言われていますが、筆者はまだしばらく存続すると思います。

数年～十数年以上ずっと新聞を取り続けているお客さんもたくさんいますし、購読者は減ってる現状でも需要は確実にあります。

インターネットやテレビに疎く、新聞が届くのを毎日楽しみにしている高齢のお客さんもいます。

ただ、夕刊はいつ廃止されてもおかしくないと思いますし、20～30年後は新聞そのものが廃刊になるかもしれません。

筆者にとって新聞配達はすごくいい仕事ですし、新聞奨学生の制度に助けられてる学生も多いと思うので、なんとか続いてほしいですね。